映像デザインカラー講座00「色の効果」

クリエイターなるもの色の知識はしっかりと抑えておいたほうが良いです。

というのも色の扱い一つで作品の仕上がりが変わってしまうからです。

以前にレイアウトのお話もしましたが

映像デザインにおいてレイアウトと同じく、色も重要なんですね。

「なんかダサい」それは色使いかもしれません。

色の勉強は奥が深く、探れば探るほどチンプンカンプンなんです。

ただ迷った時に、基本を抑えるだけでクオリティの高い作品を作ることができますので「色の基本」は抑えておいたほうが良いんです。

また、カラーグレーディングをする際にも色の知識は重要ですので。

あと、「こういう理由だからここはこの色にしました」などとクライアントにも意図を説明できればあなたは信頼の置ける能力のあるクリエイターとして認知してもらえます。

ということで映像デザインカラー講座00「色の効果」

今回は「色が与える効果と影響」

について今回はお話していきます。

[おおよそ色彩検定の3級から2級の内容を抑えておけば、ある程度の映像デザインは網羅できると思います。]

色が与える心理効果

何よりも「色」は見ている人に様々な心理効果を与えます。色によって見ている人に作り手の意図を伝えることが可能です。

業種や業界によっても親しまれている色がありますのでご紹介。

ビジネス

ビジネス系の案件でよく使われるのが寒色系です。

ブルーはポジティブなら信頼、冷静、開放感、謙虚、清潔感、清涼感などを与えます。

またブルーは嫌いな人がいないと言われるほど好まれる色になります。

ですので例えば企業PVやリクルートPVにはブルー系を主体で使ったりします。また報道系ニュースのテロップにもよくブルー系が使われます。

報道ニュースや企業PVでは青が多い

飲食

飲食、つまり料理や飲食店では暖色系(赤系統)をよく使います

赤は興奮、刺激、怒り、注意、食欲増進などを与えます。

食欲を刺激するために赤系統は絶対です。間違っても牛丼の看板や写真に青を使ってはいけません。

試しに以下を見てください。かなり大げさにしたので差は歴然としていますが・・・

撮影時のカメラのホワイトバランスも暖色系にしたりします。

こんな牛丼はいやだ

お腹すいた

ちなみに緑もどちらかというとNG。野菜としてならOKですが。

自然界では青や緑などは毒の色として認識されるために本能的に食欲を減退させると言われています。

インフォマーシャル

インフォマーシャルとはいわゆる商品紹介の映像で通販番組で流れているCMや番組です。

実はインフォマーシャルは購買意欲を沸かせるために様々な心理テクニックが隠されています。だから必ずといって良いほど買いたくなってしまうんですね。

ここでは色のお話だけ。

テレビ通販である「いますぐお電話を!!」の電話番号は必ずと言って良いほど赤色を使用しています。

赤色は視認性と緊急性を与えます。上記の文章にも赤色を使いましたが視認性はかなり高いんです。また「早くしないと在庫が無くなっちゃうよ!!」という緊急性を持たせるために赤色なのです。

ネット通販の申し込みボタンも基本は赤色です。ただネットの場合、申し込みボタンに赤色を使うと「注意」の意味も出てしまい、申し込みボタンを押す前に「これ本当に買って良いのかな?怪しくない?」となってしまう場合があるんですね。

少し話がそれますが、これはテレビとネットの特性の違いにあります。

テレビの場合は通販番組って一人で見ることが多くないですか?早朝や主婦が一人、若者が深夜に一人などなど。一人でテレビという片方向の箱を見ていると判断力がなくなるんです。なので「テレビでやっているから」「芸能人が話しながらオススメしてる」「絶対に欲しい」となってしまいます。

一方でネットの場合はどちらかというと「ネットの情報は嘘八百」という心理が最初に働きます。調べてたどり着いた通販サイトですから、他の情報も同じく調べて本当に良いものかを確かめたくなるんですね。

で話を戻すとネットの申し込みボタンも基本は赤なのですが何色かはテスト次第ということなのです。

よく申し込みボタンは緑が良いと言われていますが、あれは結局通販サイト(LP)の配色が赤系統の場合に補色関係にある緑が一番視認性が高いからという理由なのです。(補色に関しては別のページでご紹介します)

だいぶん話がそれましたが・・・

テレビ通販では電話番号が赤色ということです。

ちなみに番組冒頭では電話番号はオレンジ、後半になると赤色に変わったりする場合もあります。最初は特に緊急性は必要ありませんから。

ちょっとサイトを検索したらぴったりの通販サイトが出てきました。

完全補色関係の色を使っています。参考:アサヒ緑健 青汁

子供向け

子供が好きな色、赤ちゃんが認識しやすい色というのもあるんです。

色はどれでも良いのですが淡い色を多用します。彩度を落とした柔らかい色です。

試しにGoogle先生で「ベビー用品」で画像検索してみると

淡い色が好まれるベビー用品 参考:Google ベビー用品 画像検索

ちなみに「子ども おもちゃ」で検索すると

おもちゃはカラフル 参考:Google 子ども おもちゃ 画像検索

あれ?とお気付きのあなた!

そうなんです。最初に淡い色と言いましたがカラフルもOKなのです。

ベビー、子供向けでの色の使い方なのですが

ベビ用品などの身に付けるもの、生活必需品などには「淡い色」

これは母親の肌の色に近い色、つまり安心感を与えます。

そしておもちゃには「カラフルな色」

これは刺激による脳の発達、楽しさを与えます。あと「おもちゃ」なんかは赤ちゃんだと誤飲や怪我にも繋がるので親が認識しやすい色という意味も含まれているかもしれません。

ホラー

赤ちゃんから一転してホラーなどの恐怖訴求の場合

暗めの色を使います。もしくは毒々しい色ですね。自然界に無い色や夜の色も良いですね。

これも人間の本能的な危険回避能力が作用しています。

これも参考を作って見ました。

こんなに頑張っている感の写真が

やばい方の恐ろしさに

暗めの色、濃い色同士で視認性を無視してしまうくらいでも良いかもしれません。

自然や環境問題

自然や環境問題を扱うときは迷わず緑、青、白です。

爽やかさ、清涼感、安らぎなどを与えますね。

逆に赤色はフルーツや花などアクセントカラーとしてだったり鮮やかさでピンポイントにあると良いでしょう。

それでは癒される画像を貼っておきます。

天橋立

まとめ

と今回は色が与える印象についてお話してみました。

ちなみにコスメといった化粧品はブランドカラーによって使う色は違いますが、高級感溢れるゴールド、シルバー、紫や清潔感で白、青を基準にしたりします。

コスメの場合はどちらかというと色に加えてキラキラ感も入れたりしますね。

言われてみると当たり前なことが「色のお話」なんです。

でも色の効果を知っているか、意図しているかで違うものができてしまいます。

実際にマーケティングでも色のテストは幾度となくされています。

色によって売り上げが違って来るんですね。

次回はもう少し専門的な色のお話をしていきます。

それではまた。

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