ブレの無い滑らかな映像を演出する3軸ジンバル。
最近は最もポピュラーな移動撮影機材になりました。
大型カメラを搭載できるものから、スマートフォンで撮影するもの、手の中に収まる小型のものまでありとあらゆる3軸ジンバルが登場しています。
そんなジンバルの中から、今回はワンマンクリエイターにはもってこいのDJI Ronin-Sを紹介します。
目次
揺れを軽減 3軸ジンバルの仕組み
元々はドローンのカメラのブレを抑えるために開発された3軸ジンバル。
3つのモーターがカメラが揺れる方向と逆に絶えず回転することでブレを制御しています。
PAN軸、TILT軸、ROLL軸の制御の細かな設定はスマホやタブレットの専用アプリ「Ronin」で行います。
つまりはこのような不思議な動きをします。↓
おおお!!!っと最初は感動して、これでバッチリ「ブレない撮影ができる!!」となるのですが
唯一、構造上縦揺れはあまり制御できないのです。↓
一番使用するであろう「歩きながら」「走りながら」の撮影は少し中腰になりながら体で縦揺れを抑えながら撮影することになります。
RONIN-M、MXとOSMOシリーズとRONIN-Sの違い
DJIの3軸ジンバルには様々な製品が登場しています。用途に合わせて使い分けるのですが、自分で色々使ってみた感じで違いをお話します。
RONIN2
DJI3軸ジンバルシリーズ(カメラスタビライザー)の大親分。RONIN2
でかい!!の一言。完全に大きな映画やCM現場での製品で大型カメラを搭載することが可能です。ワンオペではほぼ使わないですね。最低でも3人オペレーションかなと思います。
RONIN-M,MX
中型機でレンタル機材でも手軽に使用できる優れものRONIN-M,MX結構よく使います。搭載できるカメラはREDから一眼レフまで様々。こちらも3人オペレーションがベストですが、ワンマンでも2オペでも可能。
ちなみにMXはMの後継機で上下でカメラを固定でき、モーターが強力且つ、音が静かになりさらに!!バランスが取りやすくなっています。
もしMとMXで迷うならMXを使用するのがおすすめです。
RONIN-S
「RONIN良いなあ〜でももっと気軽にワンオペで使いたいな〜手元でフォーカスも触れるような。しかもバッテリーも長持ちで・・・しかもOsmoとかじゃなくて好きなカメラを搭載できるような・・・」
というワンオペ映像クリエイターのために生まれた今回のRONIN-S
がっつりした撮影からちょっとした記録撮影まで撮影用途に広がりが出ました。
何よりもバランス設定が簡単になり、バッテリーが長時間OK。しかも片手持ちもできてフォーカスが手元で自由自在。搭載できるカメラは一眼レフ限定になりますがワンオペジンバルが可能になったのです。
そして安い!リュックに収納できるこのサイズはやはり一家に一台あると重宝するジンバルなのです。
ちなみに、一脚や三脚、しいてはジブにも取り付けられる優れもの。↓
というのもバッテリーグリップの底に1/4インチサイズと3/8インチサイズのネジ穴があるのでアイデア次第で色々取り付けられるのです。
↓もちろんM,MXもジブには取り付け可能です。少し工夫が要りますが・・・
※RONIN-Sにジブを取り付ける場合、Ronin-S ユニバーサルマウントを取り付けてバッテリー供給すればバッテリーグリップを外してコンパクトになるそうです。
Osmoシリーズ
ただただコンパクトに気軽に撮影したいならOsmoシリーズです。
RONIN-Sよりも先に登場していたOsmoシリーズ。専用カメラなのでセッティング不要で思った時にすぐ撮影ができます。と言いつつもアプリを立ち上げたりとそんなにすぐには撮影できません。一番簡単なのは前回も紹介したOsmo Poketです。
ただやはりOsmoシリーズは本体専用カメラなので室内での撮影には画質に難ありかなというイメージがあります。Osmo proなどはレンズ交換ができますが種類はあまりありません。
ぶらり旅のロケ番組、海外撮影のサブ機としてなら重宝するシリーズです。
ここだけは気をつけよう セッティング時の注意事項
ここでは買う前に、使う前に知っておいた方が良いRONIN-Sのセッティング時の注意事項についてお話します。
■カメラにSDカード、バッテリー、その他の付属品の取り付けを終えてからRONINに取り付けましょう。
未だによくあるのですが張り切って先にカメラをボンっとRONINに載せてしまうのですがせっかくバランス調整してもバッテーリーやSDカードが入っていないことが多々あります。
重心を調整するセッティングなので少しの重さの違いでバランスが崩れてしまいます。
■_RONIN-Sフォーカス対応カメラ&レンズを必ず確認しましょう。
確認はこちら→Ronin-S 対応カメラ一覧(英語版)
■ワイヤレスフォーカス
片手で本体を持ってもう片方の手でフォーカスリングを回すのは、やはり体力がいる。しからばワイヤレスフォーカスをつけたいのだが、付けれるのか実験してみないとわからない。電源供給のジャックはあるので可能な気もしますが次回実験してみます。
■バッテリーの電源の落としかた
どう調べても出てこなかったので。
RONIN-Sはバッテリーグリップにも電源があります。オフの仕方はなんと
電源ボタンを5回押して6回目で長押し!!
逆に電源ONは1回で付いてしまうので移動中などは注意が必要です。
■激しい動きの時はMボタン長押しでスポーツモードに
本体のMボタンを長押しすれば、行きたい方向にすぐカメラが追随してくれます。
つまりこういうことです↓
GH5とRONIN-Sの最強タッグ+編集での補正
3軸ジンバル系は確実にブレを抑えれる訳ではありません。でもプラスアルファーでカメラ内部のブレ補正を使うといい感じなります。さらに可能なら編集でもブレ補正するとベストです。
↓ガタガタの地面でトラックの荷台に乗っての撮影。体は相当揺れてますがかなりブレは抑えられています。後半はAdobe Premiere Proのエフェックト「ワープスタビライザー」を入れたものです。画面が少しふにゃついていますが。
ちなみに編集でのブレ補正は振動などの小刻みなブレほど補正できます。
逆に大きなブレはさすがにどうにもなりません。
あと、mocha proのスタビライザーはかなり強力です。また別の項でお伝えします。
見落としがちな、そのほかのスペックメモ
- バッテリーは最長12時間で1日持つ
- 外部モニターは使わないと想定した方が良い(伝送装置取り付けできそうならOK※GH5のアプリでスマホに映像を飛ばす方法は、RONIN-S本体フォーカスリングを使う場合、Tetherモードになるため使用不可)
- レンズフォローはバランス調整にも関係してくるので必ずつけた方が良い
- 片手で楽々とはいかない。結構重い。(個人の感想です)
- RONIN-Mと比べると、セッティングは割りかし簡単になった
- 三脚、一脚に固定可能
- 持ち運びの時はバッテリーオン状態に気をつける
RONIN-Sでの作品事例
- 小規模な車の撮影なんかにも向いてます。スタジオ撮影がRONIN+M/ジブ。ロケ部分がRONIN-Sです。サンドサンクリエイティブ制作事例
- 全てRONIN-Sで撮影 株式会社ウェーブリッジ
以上、何かとあると便利なRonin-S。価格もスペックの割に安いので思いっきって買ってみても良いと思います!